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「3回塗り」では手抜きは防げません|本当に見るべきは塗料の缶数です

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「3回塗り」では手抜きは防げません|本当に見るべきは塗料の缶数です

外壁塗装の手抜きは、「何回塗ったか」では見抜けません。
なぜなら、ローラーに塗料を1回つけて薄く伸ばしても、それは「1回塗り」としてカウントされてしまうからです。

本当に見るべきは「塗料を何缶使ったか」
そして、その缶数が見積書に書かれているかどうかが、最初の分かれ道になります。

東京・神奈川・埼玉で外装リフォームを手がける専門店として、契約後の工事中に起きる手抜きの実態と、施主側ができる確認方法をお伝えします。

なぜ手抜きが起きるのか——塗装工事は法律で守られていない

前提として知っておいていただきたいことがあります。塗装工事の品質は、法律で細かく規定されていません。

建物の構造には建築基準法がありますが、「塗料を何kg使わなければならない」という法的な縛りはないのです。
あるのはメーカーが定めた基準(塗布量・希釈率・乾燥時間)だけ。これを守るかどうかは、施工業者の良心に委ねられているのが実情です。

そして、仕上がった外壁を見ても、手抜きかどうかは素人目にはまず分かりません。きれいに塗られていれば、中身が薄くても分からないのです。

「3回塗り」では品質は保証されない

外壁塗装では「下塗り・中塗り・上塗りの 計3回塗り」が基本とされています。
多くの業者が「うちは3回塗ります」とアピールし、施主側もそれを基準に選びがちです。

しかし、ここに大きな落とし穴があります。

同じ「1回塗り」でも、塗料の量は何倍も違う

ローラーで塗るとき、塗り方には決定的な差があります。

  • 正しい塗り方:一定面積ごとに、ローラーに塗料を3〜4回つけ直しながら塗る
  • 手抜きの塗り方:ローラーに1回つけて、押し付けるように伸ばせるだけ伸ばす

私たちは実際に、白い下塗り材を使って同じ面積を2通りの方法で塗り、比較しました。
結果は一目瞭然でした。1回つけて伸ばしたほうは、下地が透けて見えるほど薄い。3〜4回つけたほうは、しっかりと膜ができていました。

しかし恐ろしいのは、どちらも「1回塗った」ことに変わりはないという点です。
どれだけ薄く伸ばしても、工程としては1回はカウントされます。「3回塗りました」という説明は、品質の証明にならないのです。

本当に見るべきは「塗料の缶数」です

では、何を基準に判断すればいいのか。答えは使用量(=缶数)です。

塗料のカタログには、必ず1㎡あたりの塗布量が記載されています。具体例で計算してみます。

実際に計算してみましょう

日本ペイントの「パーフェクトトップ」を例にします。

  • 塗布量:1㎡あたり0.11〜0.17kg
  • 1缶:15kg

ここから計算すると、1缶で塗れる面積は約88〜136㎡(1回塗りの場合)。
しかし上塗りは2回塗るので、実際は1缶あたり44〜68㎡ということになります。

一般的な戸建て住宅の外壁面積は120㎡を超えるケースが多く、150㎡前後も珍しくありません。
これを2缶で塗ろうとすれば、明らかに薄くなります。

150㎡前後の一般的な戸建てなら、3缶程度は必要というのが現実的な数字です。
しかもこの計算は平らな面を想定したもの。凹凸のある外壁材や、吸い込みの激しい下地であれば、さらに必要量は増えます。場合によっては4缶必要なこともあります。

見積書に「缶数」は書かれていますか?

ここが最重要ポイントです。

塗料は「㎡」ではなく「缶」で売られています。業者は缶単位で仕入れ、それをお客様に提供しているわけです。
それなのに見積書が「外壁塗装 ○○㎡」としか書かれていなければ、実際に何缶納品されるのかが分かりません。

お客様は塗料の代金を払っているのに、どれだけの量が使われるかを知らされていない——この状態が、手抜きの温床になります。

正直に工事をしている会社なら、見積書に材料名と缶数を明記できるはずです。私たちは必ず記載しています。

お手元の見積書、缶数は書かれていますか?

「一式」ばかりで中身が分からない見積書は珍しくありません。
契約前の見積書を一度ご覧いただければ、内容を確認します。ご依頼の有無にかかわらず無料です。

見積書の内容を相談する

なぜ職人は薄く塗ってしまうのか

誤解のないよう申し添えると、職人が悪意で手を抜いているとは限りません。構造的な理由があります。

塗料の数量が正しく計算されていないと、現場で足りなくなります。
職人は「このままだと足りないな」と気づく。しかし、追加の塗料がすぐ届かなければ、作業が止まって職人は待つことになります。塗り終わらないと次の工程にも進めません。

そうなると、どうなるか。「終わらせてしまったほうがいい」と判断し、薄く伸ばして塗ってしまうのです。
特に、施主から見えにくい裏側や高い位置が薄くなりがちです。

つまり、根本原因は見積もり段階での数量計算にあります。
ちなみに私たちも、計算より多くかかってしまったことがあります。そのときは追加請求せず、自社で用意して規定どおり塗りました。薄めるという選択肢はありません。

見えない場所ほど手を抜かれる

手抜きは「バレない場所」に集中します。具体的にはこうした箇所です。

手抜きされやすい箇所 理由
鼻隠しの上側(雨樋の裏) 塗りづらく、地上から見えない
唐草(屋根の先端の板金) 鉄部だが見えない。塗らなければ劣化する
建物の裏側・高い位置 施主が確認しない
付帯部(雨戸・戸袋・シャッターボックス) 手間がかかるため省略されやすい
部材のつなぎ目のシーリング 省いても分からない

数字で押さえる——希釈率と乾燥時間

もう2つ、品質を左右する重要な数値があります。どちらもメーカーが定めており、カタログに明記されています。

希釈率(薄めすぎていないか)

塗料は、塗りやすくするために少量の水やシンナーで薄めます。これ自体は正しい工程です。
問題は薄めすぎ。メーカーが定める希釈率には幅があります。

  • パーフェクトトップ(日本ペイント):3〜5%(水性なので水)
  • 関西ペイントのダイナミックトップ:3〜5%
  • SK化研:0〜8%(清水と表記。入れなくてもよい)

油性塗料の場合は塗料用シンナー、またはメーカー指定の専用シンナーが必要な製品もあります。

塗り重ね乾燥時間(急ぎすぎていないか)

中塗りを塗ってから上塗りを塗るまでには、決められた待ち時間があります。パーフェクトトップなら3時間以上です。

この時間を守らないとどうなるか。
塗料は外側から乾くため、表面だけ乾いて中が乾いていない状態で上から塗ってしまうと、内部の水分が逃げられなくなります。結果、膨れや剥がれの原因になります。

ここで注意していただきたいことがあります。
「思ったより早く乾いた」ときは、塗料が薄い可能性があります。1〜2時間で乾いてしまうのは、そもそも塗布量が少ないからです。乾燥の速さは、手抜きのサインにもなり得るのです。

なお、乾燥時間は気温23℃を基準に表記されています(JIS規格)。
寒い時期は乾燥に倍以上の時間を見るべきで、1日1工程程度に抑えるのが適切です。多くのメーカーが5℃未満、湿度85%以上での施工を避けるよう示しています。

つまり、冬場に異常に工期が短い工事は疑わしいということになります。

「中塗りと上塗りの色を分ける」は、実はおすすめしません

ネットやチラシで「中塗りと上塗りの色を変えたほうがいい」という説をよく見かけます。
色を変えておけば、中塗りが省かれていないか施主が確認できる——という理屈です。

しかし私たちは、これをおすすめしていません。理由は2つあります。

理由①:仕上げの色の膜が1回分しかなくなる

色を分けるということは、最終的な仕上げ色は1回しか塗られていないということです。
塗膜は経年で顔料が削れるように劣化していきます。仕上げ色が1層しかなければ、下の中塗りの色が透けてきたり、退色が早まったりする可能性があります。

10年後20年後にチョーキングが起きたとき、こすったら下の色が出てくる——そんな状態は避けたいところです。

理由②:メーカーは同じ色での施工を想定している

塗料メーカーは基本的に、中塗りと上塗りは同じ色で使うことを前提に製品を作っています。

さらに率直に申し上げると、色を分ける手法には余った塗料や在庫の処分に使えるという業者側の都合が絡むこともあります。「中塗りは色が違っていい」となれば、手元にある塗料を使えてしまうためです。

では、どうやって確認すればいいのか

答えは、やはり塗料の缶数です。

必要な缶数が見積書に明記され、その分が実際に納品されていれば、中塗りと上塗りの両方が正しく行われたことは数量から確認できます。
色を分けて見た目で確認するより、はるかに確実な方法です。

そもそも、色を分けてまで監視しなければ不安な相手に工事を頼むこと自体を、一度考え直してもよいかもしれません。

その他、手抜きが起きやすい工程

高圧洗浄

塗装前に汚れやコケを落とす工程です。ここが不十分だと、汚れの上に塗ることになり、塗膜が剥がれやすくなります。時間をかけずに済ませてしまう業者もいます。

ケレン(鉄部のサビ落とし)

鉄部を塗る前に、サビや古い塗膜を落とす作業です。
ここを省略して上から錆止めを塗っても、下からサビが再発します。地味で手間のかかる工程のため、省かれやすい部分です。

養生

窓や植栽などを保護する作業です。手を抜けば作業は早く進みますが、塗料の飛散や仕上がりの雑さにつながります。丁寧な養生は、良い仕上がりの前提条件です。

下塗りの省略

もっとも悪質なケースでは、下塗りそのものを省くことがあります。
下塗りは上塗り材の密着を高め、下地の吸い込みを抑える重要な工程です。省略すれば当然、早期の剥がれにつながります。

▶ 関連動画:スレート屋根で、下塗り1回と2回を比較してみます!

施主ができる、現実的な自衛策

  1. 見積書に材料名と缶数が書かれているか確認する(最重要)
  2. 「一式」表記が多い見積書は、内訳を求める
  3. 自宅の外壁面積を把握しておく(缶数の妥当性が判断できる)
  4. 「中塗りと上塗りの色を分ける」より、缶数の確認を優先する
  5. 工期が極端に短い場合は理由を聞く(乾燥時間が確保されているか)
  6. 工事中、現場の写真を撮ってもらう(見えない場所の施工記録)

すべてを施主が監視するのは現実的ではありません。
だからこそ、契約前の見積書の段階で見極めることがもっとも効果的です。

よくある質問(FAQ)

Q. 「3回塗り」と書いてあれば安心ですか?

A. 残念ながら、品質の保証にはなりません。ローラーに塗料を1回つけて薄く伸ばしても「1回塗り」とカウントされるためです。回数ではなく、塗料の使用量(缶数)を確認してください。

Q. 見積書に缶数が書かれていません。おかしいですか?

A. 塗料は缶単位で仕入れるものなので、本来は記載できるはずです。記載がなければ、何缶使われるのか確認してみてください。明確な回答が得られない場合は注意が必要です。

Q. 工事が予定より早く終わりました。手抜きでしょうか?

A. 一概には言えませんが、確認する価値はあります。塗り重ねには乾燥時間(パーフェクトトップなら3時間以上)が必要で、特に冬場は倍以上見る必要があります。極端に早い場合は、工程の説明を求めてください。

Q. 塗料を薄めるのは手抜きですか?

A. 薄めること自体は正しい工程です。メーカーが希釈率を定めており(例:3〜5%)、その範囲内であれば問題ありません。問題になるのは、規定を超えて薄めすぎるケースです。

Q. 「中塗りと上塗りの色を変えたほうがいい」と聞きましたが?

A. 私たちはおすすめしていません。仕上げの色が1層しかなくなるため、下の色が透けたり退色が早まったりする可能性があります。メーカーも同じ色での施工を想定しています。工程の確認は、色ではなく塗料の缶数で行うほうが確実です。

Q. 工事が終わってしまいましたが、手抜きか確認できますか?

A. 完成後の外観だけで判断するのは困難です。ただし、早期の剥がれや膨れ、数年での色あせといった症状が出た場合は、施工に問題があった可能性があります。気になる場合は第三者に診てもらうことをおすすめします。

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まずは工事が必要かどうか、診断士が確認します。東京・神奈川・埼玉は現地調査が無料です。

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まとめ

  1. 「3回塗り」は品質の保証にならない。薄く伸ばしても1回は1回
  2. 見るべきは缶数。150㎡前後の戸建てなら上塗りで3缶程度が目安
  3. 見積書に材料名と缶数が書かれているかを確認する
  4. 希釈率(例:3〜5%)と乾燥時間(例:3時間以上)はメーカーが定めている
  5. 早く乾く=塗料が薄い可能性。極端に短い工期は要確認
  6. 「中塗りと上塗りの色を分ける」はおすすめしない。仕上げ色が1層になり退色が早まる

塗装工事は、仕上がってしまえば中身が見えません。
だからこそ、契約前の見積書で見極めることがもっとも確実な自衛策になります。

「この見積書で大丈夫だろうか」と不安な方は、一度ご相談ください。東京・神奈川・埼玉・千葉の一部で対応しています。

この記事の関連動画(リホーム絆 公式YouTube)

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