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台風シーズンの被害は、来てから慌てるより「来る前のチェック」で大きく減らせます。
特に危ないのは屋根の棟板金(むねばんきん)の釘浮きとベランダの排水口・雨樋の詰まり。
この2つは、地上からでもある程度確認できます。ただし屋根には絶対に登らないでください。
8月〜9月は台風とゲリラ豪雨がもっとも多い時期です。東京・神奈川・埼玉で外装リフォームを手がける専門店として、この時期に実際に増える被害と、今すぐできる備えをまとめました。
この地域は土砂災害などが少なく、比較的災害の影響を受けにくいエリアです。
とはいえ、大雨のあとは雨漏りの問い合わせが目に見えて増えます。実際、台風接近時には1日に何件も相談が入ることがあります。
ここで意外に思われるのが、雨漏りの原因は「外壁そのもの」ではないことが多いという点です。
多いのは、外壁に取り付いているもの——とりわけ雨樋が原因のケース。雨量が多すぎて雨樋が処理しきれず、逆流するような状態になって漏れるパターンが実際にあります。
水は上から下に流れるものですが、「下から上に上がってくる水」で漏れる場所が家には意外とあります。
敷地の排水が追いつかずオーバーフローし、逆流して室内側に入ってしまう——こうした事例も起きています。
台風被害でもっとも多いのが、屋根のてっぺんにある棟板金(むねばんきん)の飛散です。
スレート屋根の頂上部分に被せてある金属の板で、中に「貫板(ぬきいた)」という木材が入っており、その木に横から釘を打って固定されています。
問題は、この釘が暑さ・寒さによる伸縮膨張で、少しずつ抜けてくることです。これは非常によくある症状で、多くのお宅で起きています。
釘が浮いたまま放置すると、隙間から水が入り、中の木材が腐食します。木が腐れば板金を留めるものがなくなり、強風で板金ごと飛ばされます。
実際に、飛ばされた棟板金が道路に転がっていたり、隣家の敷地に落ちていたりするケースがあります。
金属の板が落下すれば、通学中の子どもがケガをする危険もある——それだけ重大な問題です。
知っておいていただきたいのが、「外壁・屋根の塗装工事」と「釘浮きの補修」は別の工事だということです。
塗装は塗る仕事であり、釘浮きを直す仕事ではありません。そのため、浮いた釘の上からそのまま塗装されてしまうことが実際にあります。
指示がなければやらない、面倒だから何も言わない——そういう業者も残念ながら存在します。
ちゃんとした業者であれば、工事前の診断で釘の状態を確認し、交換や打ち替えの提案をします。塗装を検討中の方は、「棟板金の釘はどうなっていますか?」と必ず聞いてください。
なお、浮いた釘を上から打ち直すだけの補修には注意が必要です。同じ穴に打ち直しても効きが弱く、また、天面から打つと新たな穴が雨漏りの原因になりかねません。状態によっては、ビスへの打ち替えや貫板ごとの交換が適切です。
すべて、地上や手の届く範囲でできることに絞っています。屋根には登らないでください。
高さ2m以上での作業は労働安全衛生規則でも足場等が必要とされるほど危険で、毎年転落事故が起きています。
これは今すぐできて、効果が非常に大きいチェックです。ドレン(水が抜けるところ)が落ち葉やゴミで詰まっていないかを確認してください。
雨量が多いと、排水が追いつかずオーバーフローを起こします。水があふれて逆流し、室内側に入ってしまうことが実際にあります。「暑いから最近ベランダに出ていない」という方こそ、一度見てみてください。
雨樋は水を受けるものなので、ゲリラ豪雨のときは要注意箇所の筆頭です。落ち葉や土が溜まっていないか、継ぎ目が外れていないか、地上から目視で確認しましょう。
特に注意したいのが、屋根の雨がベランダに落ち、ベランダの中に雨樋があるタイプの家です。
この構造だと、ベランダ自体の雨に加えて屋根の雨も集まるため、水量が非常に多くなります。心当たりのある方は重点的に確認してください。
地上から屋根のてっぺんを見上げて、板金が浮いていないか、波打っていないか、釘が飛び出していないかを確認します。
可能なら、2階の窓や高台から屋根と同じくらいの目線で見ると分かりやすくなります。スマートフォンでズーム撮影して確認するのも有効です。
家そのものを台風対策で改造するのは現実的ではありませんが、物干し竿を下ろす、植木鉢やゴミ箱をしまうといったことはすぐできます。飛来物は自宅だけでなく近隣を傷つける原因にもなります。
見落とされがちですが、控え壁のないブロック塀は要注意です。高さがある塀には控え壁が必要と定められていますが、設置されていないものもあり、倒壊しやすくなります。
あわせて「隣の家の瓦が飛んでこないか」「近くの木が倒れてこないか」など、身の回りの状況を想像しておくと、備えの精度が上がります。
| チェック箇所 | 見るポイント | 危険度 |
|---|---|---|
| ベランダの排水口(ドレン) | 落ち葉・ゴミの詰まり | 高(逆流・雨漏りの原因) |
| 雨樋 | 詰まり・外れ・傾き | 高 |
| 棟板金(地上から) | 浮き・波打ち・釘の飛び出し | 高(飛散の危険) |
| ベランダ・庭の物 | 物干し竿・植木鉢・ゴミ箱 | 中(飛来物になる) |
| ブロック塀 | 控え壁の有無・ひび | 中〜高 |
台風が来る前に、屋根の状態を確認しませんか?
棟板金の釘浮きは、地上からでは判断しきれないことがあります。ドローンを使えば、人が屋根に登らず安全に確認できます。ご依頼の有無にかかわらず現地調査は無料です。
被害を見つけたら、まず写真を撮って記録してください。後の保険申請で必要になります。
そのうえで、無理に自分で直そうとしないこと。屋根に登るのは危険ですし、応急処置の失敗が被害を広げることもあります。
また、災害後はすぐに工事に入れないことが多いという現実も知っておいてください。被害が広範囲に及ぶと職人の手配が難しくなります。
だからこそ、信頼できるリフォーム会社の連絡先を、平時のうちに控えておくことが実質的な備えになります。
台風・強風・雪など自然災害による損害は、原則としてご自身が加入している火災保険で対応します。
「隣家から飛んできた物で壊れた」場合も、不可抗力である以上、基本的には被害を受けた側の保険を使うのが一般的です(お見舞金の仕組みがある保険もあります)。
ただし、実際に保険金が下りるかは契約内容次第です。ここは誤解が多いところなので、具体的に挙げます。
つまり「台風被害=必ず無料で直せる」わけではありません。まずご自身の保険証券を確認することが第一歩です。
そして重要な注意点がひとつ。「経年劣化を災害ということにして書類を作ってほしい」という依頼には応じられません。これは保険金詐欺にあたります。近年、保険会社の審査は非常に厳しくなっています。
同様に、「火災保険で無料になります」と持ちかけ、下りた保険金から高額な手数料を抜く申請代行業者にも注意してください。
火災保険はご自身と保険会社の契約なので、代行業者を挟む必要はありません。リフォーム会社が損傷箇所の写真と見積もりを用意すれば、あとはご自身で加入先の保険会社・代理店に相談すれば足ります。
もうひとつ、この時期に必ずお伝えしたいことがあります。台風などの災害後は、飛び込みの訪問営業が急激に増えます。
屋根が傷んでいる家は、実は悪質な飛び込み業者からも狙われやすいのです。「お宅の屋根、板金が浮いてますよ」と声をかけ、不安をあおって契約に持ち込む——災害直後は、住まいの不安が高まっているぶん、判断を誤りやすくなります。
対処はシンプルです。その場で契約しない。素性の分からない相手を屋根に登らせない。
本当に被害があるかどうかは、あらためて信頼できる会社に確認してもらえば済みます。
▶ 関連動画:屋根の金属板が落下!?棟板金が飛ばされた場合について
A. 絶対にやめてください。高さ2m以上の場所は転落の危険があり、法令上も足場等の設置が求められるほど危険です。
地上からの目視や、ドローンによる診断など、登らずに確認できる方法を選んでください。
A. 放置は避けたほうがよい症状です。釘が浮くと隙間から水が入り、中の木材が腐食して、最終的に板金ごと飛ばされる危険があります。
ただし程度によって対応は変わるため、まず状態を確認してもらうことをおすすめします。
A. 自動的には直りません。塗装と釘浮きの補修は別の工事で、浮いたまま塗装されてしまう例もあります。見積もり時に「棟板金の釘はどうなっているか」を必ず確認してください。
A. 契約内容によります。「損害額20万円以上」という条件や免責金額、支払上限が設定されている場合があります。まずご自身の保険証券を確認し、加入先の保険会社・代理店に直接相談してください。
A. おすすめしません。災害後は飛び込み営業が急増します。素性の分からない相手を屋根に登らせず、その場では契約しないでください。被害の有無は、信頼できる会社にあらためて確認してもらいましょう。
台風シーズンの備えは、難しいことをする必要はありません。
「うちの屋根は大丈夫だろうか」と気になったら、台風が来る前に一度確認しておくのが安心です。
東京・神奈川・埼玉・千葉の一部で屋根・外壁が気になる方は、どうぞお気軽にご相談ください。