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ベランダ・バルコニーの防水には主にFRP防水とウレタン防水があり、ウレタン防水はさらに「密着工法」と「通気緩衝工法」に分かれます。
(シート防水なども存在しますが、ベランダ・バルコニーに採用されることは少ないです。)
ここで知っておいていただきたいのが、安く見せるために、本来必要な工法ではないほうを提案されるケースがあるということです。
工法の違いはお客様には分かりにくく、金額だけを比べると安いほうが良く見えてしまいます。
そしてもう一つ。ベランダの工事で費用が跳ね上がる最大の要因は、防水そのものではなく「下地の腐食」です。
東京・神奈川・埼玉で外装リフォームを手がける専門店として、順に解説します。
FRPとは、ガラス繊維などを樹脂で固めた強化プラスチックのことです。
下地に樹脂を塗り、ガラスマットを貼り、さらに樹脂を塗って硬化させ、最後にトップコートで仕上げます。
身近なところでは船体、ユニットバスの浴槽、公園の滑り台、車のバンパーなどにも使われています。硬くて丈夫なのが特徴です。
層の数で仕様が変わり、新築時は2層(2プライ)、リフォームの改修時は1層(1プライ)が一般的です。
デメリットは、施工中の臭いです。接着剤の強い臭いに近く、住みながらの工事ではかなり気になります。
特に小さなお子さんやペットがいるご家庭、臭いに敏感な方は注意が必要です。ただし1〜2日でほぼ消えますので、在宅時間を調整するなどで対応できます。
液状のウレタン樹脂を塗り重ねて防水層をつくる工法です。継ぎ目のない防水層ができ、複雑な形状にも対応しやすいのが利点です。
FRPに比べて踏み心地がやわらかいのが特徴で、既存の防水の上から施工しやすいため、改修工事でよく使われます。
仕上げのトップコートには種類があり、一般的なタイプで5年程度、フッ素系なら10年程度が塗り替えの目安とされています。
また、歩く場所には骨材(砂)入りのトップコートを使うことも可能で、滑り止めとして機能します。ツルッとした仕上げも可能です。
ここが、もっとも分かりにくく、かつ金額差が出るポイントです。
既存の防水層の上に、直接ウレタンを塗り重ねる工法です。工程が少ないぶん安価になります。
一般的なサイズのベランダなど、面積が大きくない場所でよく使われます。
下地との間に通気シートを挟み、脱気筒(空気の逃げ道となる筒)を設置する工法です。
屋上など面積の大きい場所で使われることが多く、密着工法より費用は高くなります。
密着工法の弱点は、空気や湿気の逃げ場がないことです。
夏場、床に熱がこもると、内部の水分が気化して防水層を押し上げます。これが「膨れ」です。
密着工法では逃げ道がないため、熱がこもりやすい場所から膨れやすくなります。
通気緩衝工法なら、シートと脱気筒によって空気が抜けるため、この膨れを防げます。
ただし、通常サイズのベランダやバルコニーに通気緩衝工法を用いると、脱気筒が足元に取り付けられることとなり、生活の邪魔になることが多いため、基本的には密着工法が採用されます。
率直に申し上げます。金額を安く見せるために、本来は通気緩衝工法が適している場所に、密着工法を提案してしまう業者がいます。
さらに、同じ密着工法の中でもウレタンを2層塗るべきところを1層で済ませるという手法もあります。安くはなりますが、厚みが取れないぶん耐久性は落ちます。
お客様には、この違いがまず分かりません。見積書に「ウレタン防水」としか書かれていなければ、なおさらです。
見積もりを比べるときは、必ず「どの工法か」を確認してください。工法が違えば、金額が違うのは当然です。同じ土俵で比べなければ意味がありません。
その見積もり、工法は書かれていますか?
「ウレタン防水 一式」では、密着か通気緩衝か、何層塗るのかが分かりません。
診断士が状態を確認し、必要な工法をご説明します。ご依頼の有無にかかわらず現地調査は無料です。
ここが、この記事でもっともお伝えしたい部分です。
防水工事だけで済むなら、費用はある程度の範囲に収まります。
しかし、その下の下地(床の構造部分)まで傷んでいると、話がまったく変わります。
下地をやり直す必要が出れば、解体・補強・復旧と工程が一気に増え、大工工事も加わります。結果、想定の何倍もの費用になることがあります。
実際、床の下地が手で掘れるほど柔らかくなっていた現場や、ベランダが落下したケースもあります。ここまで進行すると、防水以前の問題です。
床の防水が健全でも、別の場所から水が入って下地を腐らせることがあります。主な侵入経路はこちらです。
| 侵入経路 | 起きること |
|---|---|
| 笠木(手すりの天板) | 種類によっては裏側に水が回り、内部から腐食する |
| ドレン(排水口)まわり | 水が溜まりやすく、下地がブカブカになりやすい |
| 手すり壁・格子壁の取り合い | 壁に埋まった部分の処理が不十分だと浸水する |
| 直張りのサイディング | 通気層がなく、水や湿気が中で広がって傷みやすい |
特に笠木からの雨漏りは非常に多く、見た目では気づきにくい部分です。
難しいことではありません。ベランダの床を歩いてみてください。
踏んで沈むような感触があれば、すでに下地が傷んでいる可能性があります。早めの確認をおすすめします。
この「早めに気づけるかどうか」が、費用を大きく左右します。防水工事の前に劣化に気づいていれば、被害が広がる前に対処できたはずだからです。
膨れには2種類あります。
熱膨れを無理に直す場合、切開して埋めることになりますが、そこから別の不具合が出る可能性もあります。状態によっては様子を見るという判断もあるということを知っておいてください。
ウレタン防水にした後、「水が引かない」と感じることがあります。
これはウレタン防水の撥水性が非常に強いために起こる現象です。特に施工から5年ほどは、しっかり水を弾きます。
通常の勾配では水が残ってしまうことがありますが、これは防水性能が高い証拠でもあります。
A. 一概には言えません。FRPは硬く丈夫ですが施工中の臭いが強く、ウレタンは継ぎ目のない防水層ができ改修に向きます。既存の防水の種類、下地の状態、面積によって適切な選択は変わります。
A. トップコートの塗り替えは、一般的なタイプで5年程度、フッ素系で10年程度が目安です。(環境により異なります)
防水層そのものの寿命はさらに長くなりますが、トップコートを放置すると防水層が傷みます。
A. 場所や面積によっては適切です。ただし熱がこもりやすい場所では膨れが起きやすいため、通気緩衝工法が望ましいケースもあります。なぜその工法を選ぶのか、理由を確認してください。
A. 下地が腐食している可能性があります。この状態で防水だけを施工しても根本解決にならず、後から大掛かりな工事が必要になることがあります。早めに確認してもらってください。
A. 夏場の熱による膨れであれば、翌年に元に戻ることもあります。ただし中に水が入っている場合は対処が必要です。下地に水が残った状態で施工された可能性もあるため、施工業者に確認してください。
ベランダは、雨漏りの原因になりやすい一方で、普段あまり注意して見ない場所でもあります。
「防水の塗り替え時期かな」と思ったタイミングで、床の状態もあわせて確認しておくと安心です。
東京・神奈川・埼玉・千葉の一部でベランダ・バルコニーが気になる方は、どうぞお気軽にご相談ください。