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「屋根に遮熱塗料を塗れば、夏でも家の中が涼しくなりますよ」――外壁や屋根の塗装を検討していると、こんな提案を受けることがあります。
猛暑が当たり前になった今、とても魅力的に聞こえる言葉です。
でも、本当にそうなのでしょうか。
結論からお伝えします。
遮熱塗料の効果はゼロではありませんが、「家の中が涼しくなる」ほどの期待はしない方がいいというのが、屋根・外壁のメンテナンスを専門にしている当社の正直な意見です。
当社の代表である木村社長も、YouTubeで「気休めみたいなレベルだから、本当に言うほど期待はしない方がいいよ」とはっきり話しています。
塗料メーカーさんに怒られてしまいそうな話ですが、後で「思ったより涼しくならなかった」とがっかりしていただきたくないので、この記事では次のことを包み隠さずお伝えします。
遮熱塗料とは、太陽光に含まれる赤外線を反射することで、屋根や外壁の表面の温度が上がりにくくなるように作られた塗料です。
メーカーのカタログでは、遮熱塗料を使った場合と使わない場合を比べて、表面温度が十数度下がるといった数値が示されることもあります。
ここで押さえておいていただきたいのが、この数値はあくまで「屋根材や外壁材そのものの表面温度」の話だということです。
室温が同じだけ下がるという意味ではありません。
この点が、遮熱塗料をめぐる誤解のほとんどすべての出発点になっています。
意外と知られていませんが、塗料に付けられる機能は遮熱だけではありません。
木村社長が動画で挙げただけでも、これだけの種類があります。
塗料に付けられる主な機能
ここで混同しやすいのが「遮熱」と「耐熱」、そして「遮熱」と「断熱」です。
営業の場面ではこの3つがまとめて「暑さに効きます」と語られがちですが、まったく別のものです。
そして、そもそも塗装の目的は次の3つに整理できます。
①部材を傷めないための劣化防止 ②美観 ③特別な機能の付与。
遮熱は③にあたる、いわばおまけの部分です。
①と②という本来の目的を差し置いて③を最優先にしてしまうと、判断を間違えてしまいます。
詳しくはこちらの動画で解説しています。
→ 遮熱?防カビ?塗料の”機能”について
木村社長は動画のなかで、この点についてかなりはっきりと話しています。
「遮熱効果は多少あります。
ただ、これを塗ればすごい涼しくなりますよとか、そういう営業が増えてくる。
季節ものだったりするから、そういうのにあんまり乗っからないでほしい」
実際、遮熱塗装をした家でも、猛暑日にはやっぱり暑いのです。
「猛暑日、遮熱塗装をしているのに、暑い」というタイトルの動画をわざわざ作ってしまうくらい、当たり前に起きていることです。
家の中が暑くなる原因は、屋根や外壁の表面温度だけではないからです。
むしろ、次のような要素の方がはるかに大きく影響します。
屋根の表面温度が多少下がったとしても、窓から日差しがガンガン入ってくれば、部屋は暑くなります。
木村社長は「一番いいのは、熱を家の中に入れないこと。
だったら遮光カーテンの方がいい」と話しています。
ちなみに社長自身の家は注文住宅ですが、それでも「暑いです」とのことでした。
動画のなかでは、こんな例えも出てきました。
冷感タイプのマスクのように「壁に塗るとひんやりする」ものがあればいいけれど、そんなものは存在しない、と。
熱いものは熱いのです。
関連動画はこちら。
遮熱をめぐるトークで、当社がとくに気をつけていただきたいと思っているのがこれです。
「遮熱の塗装にすると紫外線劣化も防げる」「遮熱だから塗膜が強くなる」
弊社 木村社長はこれを「オーバー」「強くなるなんて言ってる人は嘘です。結構騙されている人が多い」と一刀両断しています。
遮熱という機能が付いているからといって、塗料そのものの耐久性が上がるわけではないのです。
それどころか、注意していただきたい事実があります。
塗料は機能を盛り込みすぎると、かえって耐久性を落としてしまうことがあるのです。
「あれもこれも効きます」という塗料ほど、肝心の持ちがはっきりしない、ということが実際に起こり得ます。
もうひとつ知っておくと役に立つのが、塗料の機能は後から選べるオプションではないということ。
「この塗料に遮熱を付けてください」という頼み方はできません。
機能は最初からその商品に組み込まれているので、実際には「機能を選ぶ」のではなく「機能が付いた商品を選ぶ」ことになります。
夏が近づくと遮熱の営業トークが増えるのは、まさに季節商品だからです。
営業マンの説明が熱を帯びてきたら、一度立ち止まってください。
ここからは、あまり語られることのない施工側の話です。
当社が遮熱塗装を積極的にはお勧めしていない理由は、実は現場の事情にもあります。
遮熱塗装をする場合、専用の下塗り材(増膜シーラー)を使うケースが多くなります。
これは膜を張るタイプの白い下塗り材なのですが、メーカーが指定する乾燥時間を守っていても、乾きが悪いことがあるのです。
乾き切らないうちに上塗りをすると、後から塗膜が膨れて出てきてしまうことがあります。
そうなれば手直しが必要になり、お客様にも余計な時間をおかけすることになります。
下塗り材が白いため、上に塗る色が透けてしまう(隠ぺい性が悪い)という問題もあります。
仕上がりをきれいにするために、通常の2回塗りでは足りず3回塗りたくなる、というのが現場の実感です。
当社が塗料を選ぶときに最優先しているのは、その家がどれだけ長く快適に保てるかです。
遮熱という機能を優先して不具合のリスクを抱えるより、下地との相性がよく、実績があり、しっかり長持ちする塗料を選ぶ。
それが結果的にお客様のためになると考えています。
この話は、視聴者さんからの質問に答えたこちらの動画で詳しく話しています。
→ 「この遮熱塗装は、ありですか?」等のコメントに木村社長がお返事します!
ここまで厳しい話が続きましたが、「遮熱塗料は絶対に使うな」と言っているわけではありません。
木村社長も、屋根に関しては「遮熱やUVの機能が入ったものを使うのは悪くない。
劣化のスピードが違ってくる」という見方をしています。
表面温度が上がりにくいことは、塗膜を長持ちさせるうえでプラスに働き得るからです。
大事なのは、優先順位です。
まとめると、当社の考え方はこうなります。
遮熱塗料との付き合い方
遮熱は、おまけに付いていればうれしいもの。
この感覚で捉えていただくのが、いちばん失望が少ないと思います。
「では、暑さをどうにかしたい場合はどうすればいいの?」という話になります。
効果の大きい順に4つご紹介します。
木村社長が繰り返し言っているのがこれです。
熱の出入りは窓がいちばん大きいので、遮光カーテンを使う、内窓を付けるといった対策の方が、屋根に遮熱塗料を塗るよりはるかに体感が変わります。
しかも今は、国の補助制度が窓の断熱に手厚くなっています。
2026年は「先進的窓リノベ2026事業」という制度があり、内窓の設置・外窓の交換・ガラス交換・ドア交換などを対象に、条件を満たせば1戸あたり最大100万円の補助が受けられます。
「涼しくしたい」という目的に対しては、こちらを検討する方が費用対効果はずっと高いはずです。
壁や天井の断熱を強化するという方法もあります。
こちらも2026年は「みらいエコ住宅2026事業」という制度があり、開口部断熱・躯体断熱・エコ住宅設備を組み合わせた工事を行った場合、リフォームで最大100万円が補助されます(前年の上限60万円から拡充されています)。
木村社長も動画のなかで「遮熱じゃなくて、断熱に補助金を出せばいいのに」という趣旨のことを話していました。
国の制度がその方向に動いてきているのは、住まい手にとって追い風です。
※補助金の内容や受付期間は変更されることがあります。ご検討の際は必ず最新の公式情報をご確認ください。
塗装ではなく、屋根材そのものを断熱材付きのものに変えるという選択肢もあります。
実際、当社のYouTubeには視聴者さんからこんなコメントが届いています。
「瓦屋根から断熱材付きの金属屋根に葺き替えたら、夏の暑さが嘘のように緩和されました」
塗料と違い、屋根材そのものに厚みのある断熱材が入るため、体感として違いが出やすいのです。
ただし当然ながら塗装より大がかりな工事になりますので、お住まいの状態やこの先何年住まれるかによって、適切な選択は大きく変わります。
当社では、築年数やご家族の今後の予定をお聞きしたうえで、「塗装で十分」と判断してそうお伝えすることも珍しくありません。
ここで一つ、あまり語られていない専門的な話をご紹介します。
断熱材付きの金属屋根材について、木村社長は少し違う見方をしています。
「あの断熱材は、涼しくするためというより、内部結露を抑えるためのものだと思っている」
屋根材の裏側では、外の気温と屋根裏の温度差によって結露が発生することがあります。
これが続くと、雨が降っていないのに水が入っているという状態が起こる。
いわゆる「結露漏り」です。
実際、断熱材が入っていないタイプの金属屋根で内部結露が多く発生し、「どこから水が入っているのか分からない」と調査を重ねた結果、屋根を剥がしてようやく結露が原因だと分かった、というケースがありました。
断熱材には、この結露を抑えて雨漏りのような不具合を防ぐ役割があるわけです。
屋根の葺き方によっても事情が変わります。
「縦葺きにしたいけれど断熱もしたい」という場合は、防水シートを敷いて垂木を打ち、その間に断熱材を詰めてからもう一度防水シートや遮熱シートを張る、というやり方もあります。
手間はかかりますが、できない話ではありません。
ちなみに断熱材付き金属屋根の一例として、アイジー工業さんのスーパーガルテクトがあります。
ガルバリウム鋼板にマグネシウムを添加した超高耐久タイプ(SGL)に、ポリイソシアヌレートフォームという断熱材を組み合わせた製品で、屋根材同士がかみ合う部分(嵌合部)まで断熱材が充填されているのが特徴です。
関連動画はこちら。
A. まったくないわけではありません。
屋根材や外壁材の表面温度を下げる効果は確かにあります。
ただし、それが室内の体感温度として分かるほど変わるかというと、そこまでは期待しない方がいいというのが当社の考えです。
A. 一般的に、機能が付いている分だけ材料の単価は上がる傾向にあります。
ただし塗装の費用は塗料代だけでなく、お住まいの大きさ・下地の状態・足場の条件などで大きく変わりますので、金額はお家ごとに確認が必要です。
当社では無料の建物診断のうえでお見積りをお出ししています。
A. 「遮熱だから塗料が強くなる」という説明は誇張です。
塗り替えの周期は塗料のグレードや下地の状態で決まるもので、遮熱機能の有無で大きく変わるものではありません。
そうした説明をする業者さんには注意してください。
A. 色が薄いほど日射を反射しやすいのは事実で、当社に届いた視聴者さんのコメントにも「黒を選んだが、白だったらもっと涼しかったかもしれない」という声がありました。
ただし、これも表面温度の話が中心です。
外観の好みとのバランスで考えていただくのがよいと思います。
A. まったく気にしていただかなくて大丈夫です。
職人は水分・塩分をとりながら夏も通常どおり作業しています。
むしろ「夏は避けてください」と言われる方が困ってしまう、というのが正直なところです。
遠慮なくご依頼ください。
A. 遮熱は太陽光を反射して熱の侵入を抑えるもの、断熱は熱の移動そのものを抑えるものです。
塗料でできる断熱には限界があり、本格的に断熱したい場合は断熱材による工事が必要になります。
最後に、この記事のポイントを整理します。
リホーム絆は、東京都東村山市を拠点に屋根・外壁のメンテナンスを専門としている会社です。
お見積りの前に必ず建物診断を行い、そもそも工事が必要かどうかからお伝えしています。
遮熱塗料についても、必要がないと判断すればはっきりそう申し上げます。
「この提案、本当に自分の家に合っているのかな」と迷われたときこそ、ご相談ください。
遠方にお住まいの方や、まずは質問だけしてみたいという方は「教えて木村社長」もご利用ください。
木村社長が直接お返事しています。